『奥義と秘儀 』 2022年8月28日ダニエル書2章1~24節

奥義と秘儀

20228月28日ダニエル書2章1~24

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1,懲罰と名誉

 王は自分の見た夢を説明させようとします。しかし王は次のように語ります。5:いいかわたしの命令は絶対だ。もしお前たちがわたしの見た夢を言い当て、その解釈をしてくれなければ、お前の体を八つ裂きにし、お前たちの家も打ち壊す。しかしもしわたしの見た夢を言い当て、正しく解釈してくれれば、褒美として贈り物と大いなる栄誉を授けよう。」

 王による支配の原理が語れます。懲罰です。一方は殺害とお家断絶。一方は贈り物と栄誉。支配者は恐怖を与え、支配者は栄誉を与えます。死と栄誉を支配者が持ちます。王は命を支配し、生きる価値を支配します。この世の栄誉を王は与え、人の死を支配し、栄誉と不名誉を支配します。このような王の支配を現代では「マウント」と呼びます。支配の形態です。

 俺に従わないと金も出さない。俺に従わないと破滅させる。俺に従うと世で誉と栄誉を受ける。天皇は服従した者に靖国で英霊と祭る栄誉を与える。不服従の者は賊軍として祭られることもない。生死の権利は天皇が持ちます。

 大声を上げて怒りを現わし、脅してののしって、場を支配する。人々を服従させる。不服従の者は懲罰として「排除とのけ者」の憂目を与える。そのようにして支配の権威を示す。これらは教会でも会社でも夫婦の間でも、親子間でも起こる支配構造です。

この構造は弱者を服従させ、上下関係を作り、対話の自由や相互批判の芽を摘んでしまう支配の構造です。このような問答無用の支配は、現代では時代い遅れになりました。

2,「秘密」と言う言葉

ダニエルがした最初のことは、祈りでした。神は夢の秘密をダニエルに教えるのです。真の意味を教えるのは神です。神はマウントする支配構造から人間を解放します。

18:夢の秘密を求めて祈った」、「19:その秘密がダニエルに明かされた」、「27:夢の秘密の説明は知者・祈祷師・占い師、星占い師にはできない」と言われています。

秘密を解くのは神ご自身であることが語られています。秘密・奥義を神は語るのです。これは2章の中心主題です。

28「秘密を明らかにする天の神」、29「神は秘密を明らかにし、将来起こるべきことを明かされた」と何度も語られています。

教会の礼拝、教会の分級、教会の諸活動は「神の神秘や秘密」が語れる時に成立します。神の側から語り、人は神の啓示を受ける。それが教会です。

皆さんは祈って啓示を受け取っているでしょうか。神を自分の希望に合わせて動かそうとすることが祈りではない。それはご利益信仰です。自分の願いを達成させるために神がいるのでありません。この様な信仰は自分のための神であって自分中心・自己エゴ中心です。そうではなく、生きた神の言葉の神秘が教会を形成します。

2,神が夢を解く

 神とはいったい誰であるかもっと詳しくダニエル書は書いています。それはダニエルの祈りの言葉の中に示されています。2023節です。

2:20/知恵と力は神のもの」「21/知者の知恵を、識者に知識を与えられる」[23/奥義と秘儀を現わす」「23/闇に住む者を知る」「23/光は御もとにひそむ」[23/知恵と力をわたしに授ける」「23/王の望むことを教える」「29/神は秘密を明かし、将来起こるべきことを教える」

「神は不思議な業をなさる方」と言う表現が旧約に14回出てきます。新約には26回出てきます。聖書の神は私たちに知恵、力、知識、奥義、秘儀、秘密、将来起こること(終末の時に起こること)を明らかにする方と言われています。

神は私たちより優れた知恵や秘儀を啓示します。神は人生や夢の秘密や意味を啓示するかたなのです。聖書を読むこと、み言葉を思い巡らすこと、祈りの生活を丁寧に行うことはキリスト者の基本です。皆さんは聖書を正確に読んでいるでしょうか。時間をとって霊操し、丁寧に読んでいくことが基本なのです。それは牧師がすればいいことではなく、キリスト者が為すべき基本的な勤めなのです。そんなめんどくさいこと牧師がすればいい。信徒は毎日忙しいのだというのは大きな論点違いです。

箴言23:17-18「罪人らのことに心を燃やすことは無い。日ごと、主を畏れることに心を燃やすがよい。確かに未来はある。あなたの希望が絶たれることは無い。わが子よ、聞き従って知恵を得よ。あなたの心がまっすぐに進むように。」箴言5:-2「わが子よ、わたしの知恵に耳を傾け、私の英知に耳を傾けよ。そうすれば、あなたは唇に慎みを守り、知識を保つことができる。」

人間の知恵は愚かな判断、謙遜を欠いた浅はかな、怒りと無知を晒します。の世の愚かな知恵で判断するなと聖書は考えます。

 

 

3、すべての人が御心を求めること

さてこの祈りによって神の知恵と神の神秘を経験することはキリスト者であろうとユダヤ教徒であろうと人間はすべて行うべきことであることをダニエル書は語ります。

 ダニエル書の中には神の言葉への感動が記されています。

29:お休みになって先々のことを思い巡らしておられる王様に、神は秘密をあかし、将来起こるべきことをあなたに知らせようとなさった。」「47:この秘密をあかすことが出来たからには、あなたがたの神はまことに、神々の中の神、すべての王の主、秘密を明かす方に違いない。」と言われています。

 ユダヤ人ではないバビロン人の王が主告白をしています。神はユダヤ人のみの神ではなく、全人類の神です。異邦人伝道がすでに起こっています。

 パウロは「わたしたちが語るのは、隠されていた、神の神秘としての、神の知恵である。」「目が見もせず、耳が聞きもせず、人の心に思い浮かびもしなかったことを、神はご自分を愛する者たちに準備された。」(Ⅰコリ2:7,9)で語っています

 キリスト者であろうとなかろうと神ご自身はすべての人に神の神秘を語ります。クリスチャン。ノンクリスチャン、礼拝に出席している人、していない人に区別はありません。神はすべての人に神秘を語るのです。すべての人を創造された神は、すべての人に神秘や不思議を語ろうとしているのです。その範囲を狭めないように教会に通って人は注意する必要があるのです。