栄光をほめたたえる 2022年7月3日エフェソ1:3-14

栄光をほめたたえる

2022年7月3日エフェソ1:3-14

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キリストにあって

 今日の聖書箇所は「濃厚なスープ」です。ギュッと最も重要な聖書のメッセージが詰まっています。キリスト教の教義(ケリュグマ)が並べられています。

第一に注目したい新約聖書の中で最も有名な言葉があります。「2:キリストにおいて・・私たちを満たした」「4:キリストにおいて・・・わたしたちを選んだ。」「5:神はキリストによって・・・わたしたちを定めた」「6:神が御子によって与えた・・輝かしい恵み」「7:御子において・・私たちは贖われ、罪赦された。」「9:キリストにおいてお決めになった神の御心」「11:キリストにおいて・・すべてを行われる神」「13:キリストにおいて・・聞き・・信じて・・」と出てきます。全部で8回出てきます。「IN CHRIST」は聖書の中心です。

 神はキリストにあってすべてを行います。神はすべてをキリストの名によって行う。神の働きはすべてキリストにあって果たされていく。神はキリストを通して人に働きかける。神はその意思を、キリストあって貫徹する。この視点はカルヴァン、ルター、ボンフェッファー、カール・バルトなど教義の中に伝承されて来ました。東京神学大学、西南学院大学の神学部でも教えられて学者たちが伝えてきた真理です。この中心が失われると、人間中心自分中心の信仰に堕落してしまいます。常に「キリストにあって・おいてが第一」に存在します。主の晩餐式もまたキリストにあって成り立っていることの表明です。一人一人がキリストにあって・おいて」を生きるのです。

第二に、それでは「キリストにおいて」神は何をするでしょうか。神はイエス様を通して何を行うでしょうか。それを聖書は明確に示します。

「3:天のあらゆる祝福で満たす」「4:ご自分の前で聖なる者、汚れのない者にする」「4:そのようにしようとして選ぶ」「5:神の子にしようと定めた。」「7:御子において血によって贖われ、罪を赦された。」「8:(贖いと罪の赦しという)恵みをあふれさせる。」「9:秘められた計画を知らせる。」「10:キリストのもとに一つにまとめられる。」「11:約束されたものの相続者になる。」

満たし、聖化、選び、定める、贖い、赦し、恵みの充満、神秘、一つ、相続者とするのです。神の本質が全部詰まっています。「満たす」は「プレローマでコップから水があふれ流れ出る様子」です。神の恵みはわたしたちを満たし、流れ溢れるものです。皆さんはどうでしょうか?アーメンですか?「神は神の前で私たちを汚れのない者」へと変えていきます。神の愛の純粋さに近づくのです。泥水の泥が静まっていくように清められていきます。神はそのようになるように私たちを選び、定めました。神は神の聖なるとなるように私たちを運命づけたのです。わたしたちは「神の子」と呼ばれているのです。そのことを贖いの出来事と結びつけています。わたしたちが「神の子として生き、聖なるものとなり、汚れのない者となるようにイエス様命の代価を払って私たちをご自分のものとして買取って下さった」のです。そしてそれは「ミステリー」です。神の不思議な計画なのです。

第三に、その意味と目的はなんでしょうか。神の恵みの働きの目的は何でしょうか。そのことを聖書は明確に語ります。

「6:輝かしい恵みを与えるため」「12:神の栄光をたたえるため」「3:主イエス・キリストの父である神は、ほめたたえられますように。」「13:神の栄光をたたえることになる」

 わたしたちが「神の栄光をたたえるため、父なる神をほめたたえるため、神の栄光を感謝し賛美するため」です。これが理由であり、我々人間の最終目的です。カルバンは「教理問答集」をつくりました。その一番最初に「人にはどうして信仰が必要ですか」というか問いに対して、「神をほめたたえる人生をおくるためです。」と書いています。信仰の究極は神讃美あります。自分の賛美、立派になった人間の信仰的成長の賛美は単なるご利益感謝賛美です。罪人を変えてくださる神ご自身を永遠に賛美するのです。最後まで目を向けるべきは、イエス・キリストを通して働かれる神ご自身を賛美します。賛美と栄光は主にありますようにということです。最後の栄光、栄誉は天にある神ご自身がお受けになるのです。

 今年大好きなゴスペルシンガーの小坂 忠さんが亡くなりました。70年代のロックオペラ「イエス・キリストスーパースター」、ティンパン・アレイ等でYMOの細野一臣さん等と活動しました。ブルース・シンガーとしても素晴らしいCDを残しました。後年ゴスペルシンガーとしてもミクタムを立ち上げて、CDを出しました。強いのど、リズムも凄いです。彼は歌い終わると、天を指さして、神様を示します。栄光は主にあれ、栄光は自分ではなく、賛美させてくださるイエス・キリストにあれ!と天を指すのです。

第四に、必ず神讃美に生きるものとなると言う保証について語ります。

「13:そして信じて、約束の聖霊で証印を押されたのです。この聖霊は、わたしたちが御国を受け継ぐための保証であり、こうして、わたしたちは贖われて神のものとなり、神の栄光をたたえることになるのです。」

ここで「保証」は「手付金」「保証金」の意味です。これを必ず買いますと言って先に手付金を払う。予約して将来自分のものとなるものとして確保する。聖霊は神の国を相続する神様の手付金です。聖霊は神の国を相続する保証なのです。聖霊はわたしたちに御国を先に体験させます。聖霊は神の国をこの世で相続させます。聖霊はキリストの十字架の愛や復活を体験させて、神の国も喜びを見させます。カトリックもプロタスタントも「信仰のビジョン」と言って来ました。このビジョンが教会の本質なのです。建物と人数はその外観です。聖書を読み、祈り、賛美する信仰生活は、神の国受け継ぐ相続人になることを経験することです。

祈り:

キリストを通して栄光を与える私たちへと人を定め、運命づけて下さった主よ、信仰を感謝致します。あなたは溢れるほどに神の栄光を満たし、死を超えて神の国の永遠を私たちに見させてくださっています。あらゆる艱難、試練、だまし討ちや失望を越えて、その保証である聖霊を与えて下さいました。聖霊のあふれる注ぎを感謝致します。魂の大牧者主イエス・キリストの名で祈ります。アーメン。