2022/0206『目を覚ましていなさい』

目を覚ましていなさい

202126  マルコ1332-37

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1、終末について考える

 大きな崩壊や破壊が起こると終末だと言います。ノストラダムスの大予言。オーム真理教のハルマゲドン。ニューヨークのワールドトレイドセンターにジェット機が突っ込んで、ビルが崩壊する。日本では、震災・津波・戦争・火山の大噴火・原子炉が溶ける、コロナウィルスの拡大が起こる。このような大崩壊が起こると終末だと言います。人類の罪に対する神の裁きが近いと騒ぎます。しかしこれは終末ではありません。こういった終末は恐怖と破滅と天変地異の破壊を強調して恐怖の時の到来を告げるものです。聖書信仰と似ていますが決定的に違います。

聖書の終末は完全な神のご自身の「救いの時」「救いの完成の時」です。再創造、神の救いの完成の時です。

2,聖書の中の終末論

  聖書は「世の終わり」について語ります。新約聖書ではコリント、テサロニケ、マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ・その他公同書簡と呼ばれるヤコブ・ペテロ、ヨハネ黙示録に含まれています。わたしたちの湘南台教会の信仰告白の中にも世の終わり、終末についての告白の項目があります。もし終末に興味がないとか、終末は来ないと、思っておられる方は、自分の信仰に危機感を持った方が良いでしょう。自分の信仰を問い直し、聖書をもっとしっかりと読んだ方良いと思います。

3,終末には予兆がある

 マルコによる福音書13章は終末について語っています。

①1~2節は「終末時に神殿が崩壊する預言」。終末の時にはあらゆるものが崩壊し、崩れ去っていくのです。「太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は天から落ちる」とも語っています。人は深い絶望を経験すると世の中真っ暗といいます。月も星も太陽も光を失います。完全な絶望の世界を示しています。

313節は「キリストの名を語る者、戦争の噂、地震や飢饉、会堂の迫害など」が起こる。終末の時には人の命を奪い、人の命を殺す、理不尽な出来事が起こると語ります。大地震が起こる、噴火・戦争・津波・コロナウィルス・飛行機がビルに突っ込む、色々な経験したわたしたちはします。「巨大な津波に飲まれる町や人間は」何と無力なことでしょう。その時偽預言者がでるのです。

③1423節は「偽メシア、自分は救い主だ、自分はメシアだという者が到来すること」が起こります。自分はメシアだと言いう者が現れます。麻原さんとかそんな人は世にたくさん出たでしょう?

4,人の子の到来

しかし「それは前兆であるがまだ世の終わりではない。」と12:7で語ります。この「まだ終わりではない」という言葉はマタイでもルカでも繰り返し語れます。聖書を細かく読まない人はここを読み飛ばします。

聖書は語ります。2427節は「人の子が到来する」と語ります。この「人の子とはキリスト」を示します。終末とは「キリストの再臨」を意味します。予兆は終末でありません。「キリストの到来が終末の時」なのです。キリストは再びこの世に来られます。「人の子が栄光に乗ってくるのを見る。そして「選ばれた人を四方から集める。」(13:26-27)と語ります。イエスは罪人をジャッジするのです。「最終的に人を裁くのはイエス様ご自身なのです。キリストは罪は裁きますが、人を救います。

5,神の言葉に信頼する

この裁きの時を不安に考える必要はありません。また裁きがあるからと人を恐怖に陥れる・恐怖心を煽るのも誤りです。また裁きの恐怖を語って信仰を持たせることも誤りです。

イエス様は語っています。「天地は滅びるがわたしの言葉は決して滅びない。」(13:30-31)と語ります。あらゆるものが滅びても神の言葉は滅びない。神は滅びないのです。神の言葉は永遠に残ります。永遠の存在です。天地は溶け去り、滅びいくでしょう。しかし神の言葉は燃え尽きることはない。焼け落ちることはない。神は滅びる事はない、壊れることはないのです。神の言葉は破壊から創造する。神は恐怖から救う言葉です。神の言葉は「滅亡から創造する」言葉です。神は滅亡の危機から救い出す方です。神は天地が滅びても「その時から命を創造」します。終末は救いの時です。パウロは「火の中をくぐって来た者のように救われる」と語っています。終末の時に神の言葉に生きる者は決して燃え尽きることはないのです。

ですから最後にいいます。「目を覚ましていなさい。」(13:3537)と。それは神の言葉の完全な「生き残り」を信頼することです。

 

今日我々は主の晩餐式を行います。キリストのからだと血とを受け取る者は終末の時にも滅びに至ることはありません。それはイエス・キリストの約束です。主の晩餐式はこの主の約束の保障なのです。わたしたちは滅びない主の保証書を今日受け取るのです。