2021.9/19 『聖霊を吹き込む方』

聖霊を吹き込む方

2021年エゼキエル37:1~14

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Story1:骨の体験

 わたしが小学生の時に「お墓を移し替える」のに立ち会いました。小さな墓や大きな墓など15ほどあってそれを5つにまとめたのです。土葬の墓もありました。わたしはその時初めて「枯れた骨」を見ました。骨は白いと思っていましたが土葬の骨は茶褐色でした。お坊さんに祈りを捧げてもらって新しいお墓に移し替えました。

 枯れた骨とは、力を失って肉もついていない状態でしょう。人の姿を見ることが出来ない、枯れた状態にまでなってしまっているのです。

 エゼキエルの時代は戦後の荒廃した日本のような状態でした。彼らはバビロン帝国や当時のシリア帝国に征服されました。祖国を失い、神殿を失い、家族を失い、土地を失いました。異国の地に引いて行かれました。それは一種の難民状態・民族の危機でした。

 先週はワールドトレードセンターに2機の飛行機が突っ込んで3000名ほどの犠牲者が出て20年目でした。一瞬にして高層ビルが崩れ落ちるのを記憶している方もあるでしょう。ビルからは飛び降りる人もいました。灰だらけになって人々は逃げまどいました。消防隊の人、警察官も亡くなりました。

イスラエルの民は神を失い、希望を失い、礼拝の場所を失いました。

Story2:お前たちは生き返る

エゼキエルは幻を見ます。それは「枯れた骨の谷」でした。「枯れた骨の谷」は希望を失ったイスラエルの民を象徴しています。

主は次のように言います。「枯れた骨よ、主の言葉を聞け。お前たちの中に霊を吹き込む。お前たちの上に筋を置き、肉を付け、皮膚で覆う。するとお前たちは生き返る。」すると「カタカタと音を立てて近づいたそして。筋が付き、肉が付き、皮膚に覆われていった。」のです。(4~8節)

  ここで聖書が言いたいことは、神や神の霊は枯れた骨の状態であっても新しい命、新しい体を与えるということです。枯れた骨を捨ておくことはない。枯れた心あっても新しい命を与えことです。復活といっても良いと思います。神の再創造と言って良いと思います。

 ワールドトレードセンターの跡地はグランドZEROと言われます。原爆投下の爆心地跡地もグランドZEROと呼ばれます。バビロンに破壊されたエルサレムもグランドZEROです。神はグランドZEROから再創造すします。「地は形なく空しく、神の霊が水の面をおおっていた。」という創世記を思い起します。神はグランドZEROから創造します。新しいスペースX社のロケット名は「レジリエンス」ですが、神は無からの聖霊によって創造する方です。神は人や教会や社会を聖霊にを吹き込み再創造します。

Story3:霊を吹き込まれる

 さらに聖書は語っています。「霊よ、四方から吹き来たれ。霊よ、殺された者の上に吹き来たれ。そうすれば彼らは生き返る。すると霊が彼らの中に入り、彼らは生き返って自分の足で立ち、非常に大きな集団になった。」(910節)

  これは体を持った骨に神の霊が吹き込まれたことを示しています。神の霊が吹き、骨を生かし、集まった骨の状態に霊が吹き込まれます。その時人は生きた者となるのです。信仰とは霊の神の霊の吹き込みを体験することです。

 私は学生時代を福岡で過ごしました。この時に「黙想の家」というカトリックの施設で教会青年会のリトリートがありました。そこで私は聖霊の充満の経験をしました。最後に罪の告白と主への感謝が激しく起こり、涙をもって悔い改める出来事が起こりました。先週の個所に「お前たちは自分の悪い歩み、善くない行いを思い越し、罪と忌まわしいことのゆえに、自分を嫌悪する。・・イスラエルの家よ、恥じるが良い。自分の歩みを恥ずかしく思え。」(363132)という言葉が実現しました。

聖霊の充満です。この集会から多くの献身者が生まれました。霊的な経験の出来事でした。聖なる神の霊が心や体を満たすということです。

 皆さんは聖霊の充満を願っていますか?皆さんは聖霊が心と体の中に充満する体験をしているでしょうか?

皆さんは心と体の中に、また私たちの関係の中に、礼拝の中に聖霊が充満することを祈って求めているでしょうか。聖霊の充満は決定的に大事なことです。

Story4:墓を開き、引き上げる

 最後に37章で次のように言われています。「わたしはおまえたちの墓を開く。わが民よ、わたしはお前たちを墓から引き上げ、イスラエルの地へ連れて行く。わたしが墓を開いてお前たちを墓から引き上げる時、わが民よ、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。またわたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。わたしはお前たちを自分の土地に住まわせる。その時、お前たちは主である私がこれを語り、行ったことを知るようになる。」(1214節)

 イエス様の墓を開き、イエス様を墓から引き上げた主の姿の先取りです。

「主であることを知るようになる」はエゼキエル書で58回用いられるエゼキエル書の主題です。「自分の土地に住まわせる」もまたエルサレムへの帰還の物語として実現します。聖書の神ヤハッウェは約束し、成就する神です。暗闇に住む人々に光を与える栄光の神です。

 もし皆さんが希望の無いままに信仰生活を送っていたら、聖霊の風を送り、神はその墓を開きます。もし皆さんが教会はもう終わりだと思って礼拝していたら、神はその暗闇を開いて命を与えます。自分の家族は教会など来るはずもないと思っていたら大きな罪です。祈り求めて、聖霊の風が吹き、主が墓を開いて下さることを求めましょう。もし皆さんが死の恐怖に取りつかれていたら、聖霊の風が心に吹き、主が御国を見させてくださるように祈りましょう。主はその栄光を見させて下さいます。

 共に墓を開く主に期待し、祈り求め、聖霊の吹き込みに希望を置きましょう。聖書の神は墓を開くのです。