この幻をみるまでに 使徒言行録16章6ー15節
Story1:16章の大切さ
今日は16章を取り上げます。15~16章にかけては最も大切なポイントになる個所です。ペテロは15章の話以降出て来ません。その後エルサレム教会はペテロからヤコブへと主導権は変わります。70ADに起こったユダヤ戦争でエルサレムはローマに支配されます。エルサレムという名前もローマ風に変えられて、エリヤカピトリーナとなります。この時にほぼエルサレム教会は壊滅します。その後キリスト教と言えば、異邦人がクリスチャンとなったパウロが伝えたキリスト教を指すようになります。
Story2:マケドニアの叫び
今日の16章6節では、聖霊がアジア州で、み言葉を語ることを禁じたとあります。(16:6)ピティニア州に入ろうとしたが、その時も「イエスの霊がそれを赦さなかった」(16:7)とあります。聖霊は伝道を禁止します。そこでパウロはマケドニアやギリシャに近いトロアスに向かいます。
パウロは夢・幻を見ます。「マケドニア州に渡って来て、私たちを助けてください。」(16:9)というマケドニのクリスチャンたちの叫びを聞きます。
この物語を読むたびに、回転資金委員会委員として諸教会を問安したことを思い越します。パウロは良き協力者シラスと問安します。わたしはニューライフの森田さん、主の港教会の大島牧師、浦和教会の二見執事、連盟の久保総務部長などと多くの教会を問安しました。楽しい思い出です。同信の友と色々語り合いながら問安するのは楽しい伝道旅行です。松江、神戸、福島旭町、茨木県東海村、相模中央、大井、水戸、横浜ニューライフ、茂原、横浜ジョイ、松本蟻ケ崎、山形、などの教会を訪問しました。
宣教のために会堂を建てる、土地を買う、教育館を建てる、駐車場を広げるなど資金繰りを考えつつ、色々な苦労をしながら宣教しています。
皆さんが献金して下さる献金が日本中で使われています。借入の総会決定、返済計画の書面審査、地域の状況、会員増加の際の教育、幼稚園や付帯事業の財産管理や運営状況、財政状況、人の育成などを話し合います。教会の長い歴史、そして地域の状況など半日かけて話し合います。
「マケドニア人に福音を告げ知らせるために召された」(16:10)にあります。パウロやシラスにとって実にうれしい、主の御用にあたる旅行であっただろうと思い、私自身の体験と重なります。主の御用に献身して良かったと思います。聖霊は今も働いているのです。
Story3:リディアとの出会い
11節以降は、すでにマケドニアに上陸したことが記されています。11節に「マケドニア州第一区の都市」とフィリピのことを述べています。ギリシャにありますが、ローマの植民地で、人々はローマの市民権を持ち、自らをギリシャにもかかわらず、ローマ人と考えていました。
パウロとシラスはここでリディアに出会います。リディアは11節:「紫布を扱う商人」でした。彼女はキャリアウーマンです。働く女性でした。この様なタイプの女性はエルサレム教会があったユダヤ地方にはいないタイプの女性です。ユダヤ地方はユダヤ教の男性中主義の社会でした。福音書にはキャリアウーマンは出て来ません。
しかも11節で「紫布を扱う商人」とわざわざ書いているのは、この布が非常に高価なものであり、庶民にはなかなか手が入らないものであったことを意味します。リディアは15節で、「私の家に来てお泊り下さい。」とパウロたちに語りかけます。この家は六畳一間の家ではなく、一応の邸宅であったと思われます。
Story4:主が心を開いて
このリディアに神様は働きました。11節「主が彼女の心を開かれたので、パウロの話を注意深く聞いた。」とあります。この言葉は聖書の中心の一つです。復活したイエス様は「そしてイエスは聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて言われた。メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する・・・」(ルカ24:45)とあります。
神様は心の目を開く。心を開くのは神の働きである。自分で開くのも大事ですが、「主よ、心の目を開いて下さい」と謙遜に願う、聖書の意味を悟らせてくださいと祈り求めると、神は心を開いて聖霊を与えて悟らせて下さるのです。主よ、神の言葉を悟らせて下さいという祈りから始まり、主が心を開いて悟らせて下さるのです。俺は知っているとか、俺なんかにはわからないからとかと言うことでは神の言葉の意味はわからないと言うことです。
神様はわたしたちの心に働き、心の目を開いて下さいます。聖書を読むとき、人と話をする時、新しい霊的な知恵を受けたいとき、私たちは主よ心の目を開いて下さいと祈ることが第一だと思います。皆さんはこの「主が、心の目を開かれる」ということに賛成するでしょうか。
ずっと今詩編を朝毎に呼んでいます。心に刻まれた詩編は51編12ー14節です。
「神よ、
わたしの内に清い心を創造し、
新しく確かな霊を授けてください。
御前から私を退けず、
あなたの聖なる霊を取り上げない
でください。
御救いの喜びを再び味わわせ、
自由の霊によって支えてくださ
い。」
神は私たちの心を開き、わたしたちの心に聖なる霊を与えます。それは新しい霊であり、確実な霊です。
それは私たちの心の内に入り、定まって下さいます。
そして救いの喜びを味わわせ、自由に生きる喜びを与えます。
今日はペンテコステです。神が豊かに心を開いてくださり、心に神が聖霊を住まわせ、自由に生きる喜びを求めて参りましょう。