8月9日礼拝メッセージ

畏れるということ
「男の子ならば殺し、女の子ならばいかしておけ。」

(出エジプト記116節)

Story1 神を畏れる

出エジプト記1章後半は、ファラオの命令に反して男の子を生かし、子どもを殺害しなかった助産婦の物語です。彼女たちのことを聖書は「神を畏れていた」(1721)と2度書いています。「神ご自身もまた二人の助産婦たちに恵みを施された」(20)、「神は彼女たちに子宝を恵まれた」(21)と書いております。彼女たちの行為を神ご自身が喜ばれたことが分かります。神は助産婦の立場に立っています。

他方、ファラオは自分に敵対すると思える男の子は殺害し、自分に謀反を起こすことのない女の子は生かそうとします。ファラオは「命」を王権の維持、体制の維持のために使おうとします。ファラオが命を支配します。      

命はファラオのものではなく、神のものです。人のものではなく、神ご自身の大切な宝です。「王のもの」として「神が与えた命」を利用させてはなりません。神様が与えて下さった命を賢く守り抜くのです。神は命の創造主です。これが政治と宗教の分離の根源です。命は主のものです。命の創造主は人ではなく、神ご自身です。

 

Story 2 杉浦千畝物語 

今日の聖書箇所は、王の命令に従わず、男の子の命を助けた助産婦の話ですが、皆さんは、杉浦千畝さんをご存じでしょう。彼はリトアニアという国のカウナスという町の外交官でした。カウナスにはナチスの迫害を逃れて、ポーランドやオーストリアからやって来たユダヤ人が数万にいました。ゲシュタポの監視も厳しく、カウナスのユダヤ人のシナゴーグも焼き討ちされ、ホロコーストの噂が広がっていました。このような中で1935年後半に、ドイツと日本の外務省はユダヤ人にビザ(通過査証)を発給しないように命令を出しました。しかし外交官の杉浦千畝さんは両国家の意向に反して、ユダヤ人にビザを発行しました。それは天皇にも、ヒトラーにも反対することでした。「国と王の意向」に反して、ユダヤ人の命を助けたのです。ユダヤ人たちは、シベリア鉄道を使ってウラジオストックに行き、満州に渡り、満州から敦賀港に到着しました。19419月までにそのほとんどのユダヤ人が、船でイスラエルやアメリカへ渡航しました。その数は約5000名~6000名であったと言われています。19455月に杉浦さん一家は、リトアニアでソ連軍に逮捕され、シベリアに抑留されます。シベリアから満州、満州から博多へそして藤沢市鵠沼松ガ岡3丁目に定住します。この間約1年でした。鵠沼の家は東京裁判で絞首刑なった首相広田弘毅の自宅でした。1946年に外務省から「強制的な退職命令」が出され、彼は職を失います。失職直後に三男を失います。シベリアの長旅に耐えることができなかったのです。後年、鎌倉に住み、最後は鎌倉の病院で亡くなり、鎌倉霊園に葬られました。彼はハリストス正教会(ロシア正教会)の2代目のクリスチャンでした。現在も命日には墓前礼拝が行われています。杉浦さんの名誉の回復のために、リトアニア、イスラエル、誕生地岐阜県美濃市、カナダ、アメリカ、ポーランドなどに記念碑があります。彼は「諸国民の中の正義の人」と世界で呼ばれ、75年たって、その子孫たちは世界中にひろがりました。

Story 3 教会の告白

助産婦たちはファラオの命令に従わず、子どもたちを助けました。ここに一冊の資料があります。2003年5月11日(日)午後3時から行われた湘南台バプテスト教会の「教会組織資料」です。13回に渡って学習会を行い、周到な準備の中で完成したものです。これは私たちの教会がどんな教会であり、どんな教会であろうするのかを「自分たちで、公的に告白した文章」です。私たちの「教会の目標、教会形成道しるべ」です。              その中に「信仰告白」があります。その第8番目に「教会と国家」の項目があります。次のように書かれています。「教会は主であるイエス・キリストの教えに従って、政教分離の原則を貫き、国家に対して常に目を注いで、神の御心に反しない限り、国家のために執り成しの祈りをします。私たちの主なるイエス・キリストが、この世の諸権力に対しても、主として、また王として支配したもうことを、私たちは信じます。」

「この世の諸権力に対しても神は主として働く」。つまり聖書の神はこの世の権威にも働きかける。聖書の語る神ご自身に国家もまた服従すべきである。この世の権力が絶対的なものではない。そう告白します。「主、王として、この世の諸権力に対して、イエス・キリストは働く」のです。

聖書は語ります。「神は御心のままに満ちあふれるものを余すところなく、御子の内に宿らせ、その十字架の血によって平和を打ち立て、地にあるものであれ、天にあるものであれ、万物をただ御子によって、ご自分と和解させられました。」キリストは平和です。共にキリストの平和を世に伝えましょう。

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19458

716日 人類初の原爆実験(マンハッタン計画)

8  2日 ポツダム会議終了

  35713日 小田原空襲

5日  鎌倉空襲

6日  広島に原爆投下

8日 ヤルタ会談;日ソ不可侵条約破棄通告  ソ連満州国侵入;満州国崩壊

  9 長崎に原爆投下

10 御前会議 ポツダム宣言受諾について

13日 藤沢市空襲

13日 ビルマ・シッタン戦

14日  御前会議 ポツダム宣言受諾決定

  14日 宮城事件(録音盤事件)

15日 玉音放送(大東亜戦争終結ノ詔勅)

17日 インドネシア独立宣言

18日 皇帝溥儀満州国解体・退位宣言

20日 久米島守備隊虐殺事件

20日 米軍による沖縄諮詢会発足

22日 樺太・三船殉教事件(1700名)

  30日 マッカーサー厚木到着

9 2日 降伏文書調印式(ミズーリ号)

 

 7日 沖縄降伏文書調印式(嘉手納基地)